血液型検査について:Rh(ー)不規則抗体
Rh(ー)の妊婦さんへ
Rh(ー)とは
⾚⾎球の⾎液型にはABO式(A型、B型、O型、AB型)やRh式などがあります。
Rh式⾎液型にはD、E、C、c、eなどいくつかの因⼦があり、このうち「D」の因⼦を持つ場合を「Rh(+)(Rhプラス)」、持たない場合を「Rh(-)(Rhマイナス)」と⾔います。
本⼈でのRhマイナスの⼈の割合は約200⼈に⼀⼈くらいで欧⽶に⽐べると⾮常に少ないです。
Rh(ー)の人が妊娠するとどうなる?
Rhマイナスのお⺟さんがRhプラスの⾚ちゃんを妊娠することを「Rh式⾎液型不適合妊娠」と⾔います。
Rh式⾎液型不適合妊娠で⾚ちゃんの⾎液がお⺟さんの⾎液に⼊ると、お⺟さんの体の中で⾚ちゃんの⾚⾎球を攻撃するたんぱく質(抗D抗体)が作られます。
何も対処しないでいると、次にRhプラスの⾚ちゃんを妊娠した時、⾚ちゃんの⾚⾎球が抗D抗体によって壊され、おなかの中で貧⾎をおこしたり、⽣まれた後に⻩疸を起こす可能性があります。
対処法は?
お⺟さんが抗D抗体を作らないように、妊娠中や出産後の適切な時期に、お⺟さんに「抗D⼈免疫グロブリン製剤」を注射することが勧められています。
抗D⼈免疫グロブリン製剤を妊娠28週前後と出産後72時間以内の2回注射すると、抗D抗体が作られる確率は0.1%程度になると⾔われています。
また当院では、妊娠25〜26週ごろにお⺟さんの体の中で⾚ちゃんの⾚⾎球を攻撃するたんぱく質(抗D抗体)が作られていないか確認するために採⾎をさせていただいています。
注意点
出産時に大量の出血があった場合には輸血が必要になります。Rh(-)の方は珍しい血液型です。
大量出血に備えて自己血採取が必要な場合があるため、30週頃に総合病院へ紹介します。
不規則抗体
お母さんが不規則抗体を持っていると赤ちゃんが重症黄疸や溶血性貧血を起こす事があります。
そのため、陽性の場合は小児科のある総合病院へ紹介します。